実用化につながる革新的な技術を開発した研究者に授与される「ドイツ未来賞」の最終候補に、高速プラスチック分別システムを開発したハイテク企業Unisensor Sensorsysteme、柔軟度の高いハンドリングアームを開発したフラウンホーファー生産工学自動化研究所(IPA)など3者がノミネートされた。授与式は12月1日、ベルリンで行われる。
\ドイツ未来賞は連邦大統領が1997年に創設した賞で、今年で14回目。受賞チームには25万ユーロの賞金が贈られる。過去には音声圧縮技術MP3(フラウンホーファー集積回路研究所、2000年)、液晶テレビに応用可能な液晶素材(メルク、2003年)、抗血栓薬「リバロキサバン」(バイエル、2009年)などが賞を獲得している。
\今年のドイツ未来賞には計20の研究チームが参加し、3チームが最終選考に残った。
\Unisensor Sensorsystemeが開発した高速自動プラスチック分別システムは超高速レーザー分光法を用いて、破砕されたPETなどのプラスチックの種類を瞬時に識別・分別するもので、分別後のプラスチック片はほぼ100%再生プラスチック原料として利用できるという。
\IPAはオートメーション機械メーカーFestoと共同で「バイオニック・ハンドリング・アシスタント」を開発した。象の鼻と魚のひれをモデルに開発したという同システムは、柔軟性が非常に高いアームとハンドからなり、生卵やトマトでも壊さずにつかむことができるという。
\3番目はマックス・プランク石炭研究所とBASF傘下のhte AGからなるチームで、多管式反応器を開発。新たな化学触媒候補の性能検証時間を従来の最大100分の1に短縮することに成功した。
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