ドイツのペーター・ラムザウアー連邦交通相は6日、道路交通政令に定める冬用タイヤの装着義務規定について定義を明確化する意向を表明した。オルデンブルク高等裁判所が今夏に下した判決で、当該規定は不明確で憲法に違反するとの判断を示したことに対応する。州の交通相と協議したうえで今秋中にも新ルールを導入する方針だ。
\ドイツでは2006年の道路交通政令改正で、冬用タイヤの装着が義務化された。ただ、政令の文面が「天候に適したタイヤの装着」とあいまいなため、交通事故の調査を行う警察や保険会社では明確な解釈ができないという問題が起きていた。
\今後はこうした問題が起きないよう定義を明確化する。秋から初春までの特定期間を対象に冬用タイヤの装着を全面的に義務づけるのか、それとも気温や降雪など特定の天候条件の際に装着を義務づけるのかなどの詳細は今後、詰めていく。オールシーズンタイヤは認める方向だ。隣国のオーストリアでは11月初旬から4月中旬までの期間、装着が義務づけられているほか、タイヤ表面の残り溝の深さについても規定がある。
\欧州連合(EU)の欧州委員会が現在、冬用タイヤの域内統一ルールを策定しているため、ドイツの新ルールはEUルールが導入されるまでの暫定規則となる見通し。
\ドイツではすでに8割以上の車が冬用タイヤを装着している。このため新ルールが施行されても、タイヤ需要が急激に拡大する可能性は低いようだ。タイヤ大手コンチネンタルの役員は『ハンデルスブラット』紙に対し「短期的な(冬用タイヤ)ブームが起こるとは思わない」との見方を示した。
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