スイスの製薬大手Roche(バーゼル)が14日発表した2010年1-9月期の売上高は363億9,900万スイスフランとなり、前年同月を1%下回った。インフルエンザ治療薬「Tamiflu」の販売激減とスイスフラン高が響いた。Tamfluと為替の影響を除くと売上高は6%増加する。
\Tamfluの売上高は8億800万フランで、前年同期から61%減少した。新型インフルエンザの流行が収まったことで、需要が大幅に縮小した。
\一方、稼ぎ頭のがん治療薬「Avasin」の売上高は50億100万フランとなり、為替の影響を除いた実質で11%増加した。ただ、同薬に対しては米食品医薬品局(FDA)の専門家委員会が08年に出された暫定的な販売承認の取り消しを7月に勧告しており、それ以降は売上成長が鈍化。米市場では7-9月期の売上が減少に転じた。同勧告に従ってFDAが販売許可を取り消すと、Rocheは大きな痛手を受けそうだ。欧州の認可当局もAvasinの承認見直しを検討している。
\