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2010/10/27

総合 - ドイツ経済ニュース

「計画経済への後退」、独経済相が米財務相を批判

この記事の要約

中国やドイツ、日本などの経常黒字国に対し米国のティモシー・ガイトナー財務長官が内需拡大などを通して経常収支の黒字幅を圧縮するよう要求したことに対し、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席したドイツのライナ […]

中国やドイツ、日本などの経常黒字国に対し米国のティモシー・ガイトナー財務長官が内需拡大などを通して経常収支の黒字幅を圧縮するよう要求したことに対し、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席したドイツのライナー・ブリューデルレ経済相は23日に開催地の韓国・慶州で「計画経済的な思考への後退だ」と述べ厳しく批判した。

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ガイトナー長官はG20の開催に先立ち、経常黒字国に黒字の削減、経常赤字国に赤字の削減を義務づけ、国際的な貿易不均衡を是正することを提案した。具体的には国内総生産(GDP)に対する経常黒字ないし赤字の比率を4%以内に抑制することを求めている。

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これに対しブリューデルレ経済相は「ドイツの貿易黒字は国家介入の結果ではなく、経済競争力の強さに起因するものだ」と指摘。経済に政治が介入するのは好ましくないとの立場を示したうえで、「極端に低い金利を通して過度の流動性を永続的に供給し続けることは間接的な為替操作だ」と述べ、米国が行っている政策は人民元相場を人為的に低く抑えて輸出を底上げする中国と大きく違わないとの認識を示唆した。また、ドイツのGDP成長に対する内需の寄与度は今年50%を超え来年には70~80%に達すると述べ、ドイツは国際貿易不均衡の是正に向けた課題をすでにクリアしているとの立場を示した。

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ブリューデルレ経済相は病気療養中のショイブレ財務相の代理としてG20に出席した。

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