ドイツ政府は1日、イエメン発の貨物便と旅客便を対象にドイツへの着陸と領空通過を全面禁止したことを明らかにした。10月30日未明に英空港で発見されたイエメン発の爆発物が独ケルン・ボン空港を経由していたことに対応した格好。政府は今後、これまで手薄だった航空貨物のセキュリティチェック体制を強化するほか、フライト禁止対象国をイエメン以外に広げることも検討する。経済界は物流に支障が出ると懸念を示している。
\爆発物は2つあり、1つは英イーストミッドランズ空港、もう1つはドバイ空港で発見された。ともに米シカゴのユダヤ人団体宛となっていた。プリンター内のトナー容器に詰められており、一見しただけでは爆発物であることが分からないという。
\爆発物の情報は30日午前2時40分、サウジアラビア当局からドイツに伝えられた。この時点では爆発物を乗せた貨物便がすでにケルン・ボン空港を飛び立っており、押収は英空港で行われた。
\独政府は今回の事件を重くみて、外務省、交通省、内務省、治安当局からなる作業部会を設置した。今後の対策を検討するとともに、欧州連合(EU)、国際レベルのセキュリティ基準の策定に向けた提案を作成する意向だ。
\これに対しドイツ商工会議所連合会(DIHK)は、貨物のセキュリティチェックは煩雑で時間とコストがかかると指摘。今回の事件に過剰反応しないよう要請した。他の経済団体からも同様の意見が出ている。
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