工作機械大手の独Gildemeister(ビーレフェルト)は7日、戦略提携先の森精機が同社への出資比率を引き上げることを明らかにした。Gildemeisterが来年上半期に実施する増資を森精機が引き受ける。Gildemeisterのリューディガー・カピッツァ社長は8日、森精機が同社株を最大20%保有し安定大株主になることを望んでいるとの立場を表明した。
\両社は経済危機が深刻化した昨年3月、戦略提携で合意。相互の株式を5%持ち合うほか、製造、調達、製品開発、特定市場での販売・サービスで手を携えるようになった。協力関係はうまく機能しているもようで、昨年10月には事業提携の範囲を部品・プラットフォームの共有化にも拡大する方針を打ち出した。
\Gildemeisterは新たな増資により、現在3億ユーロに上る債務を圧縮し、利払い費を減らす考え。同社が森精機への出資比率を拡大する計画はない。
\Gildemeisterが同日発表した2010年1-9月期の新規受注高は前年同期比24%増の10億1,380万ユーロへと大きく拡大した。世界経済の回復が反映された格好で、売上高も1%増の8億5,840万ユーロとわずかに改善している。一方、営業利益(EBIT)は62%減の910万ユーロに後退。税引き前(EBT)損益は1,830万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(700万ユーロ)から悪化した。
\2010年通期業績については売上高を従来予測の12億5,000万ユーロから13億ユーロ以上へと上方修正した。新規受注高も13億ユーロから13億5,000万ユーロ以上へと引き上げている。EBTについては収支トントンを確保するとしたこれまでの予測を据え置いた。
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