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2010/11/10

経済産業情報

玩具業界、年明けにも大幅値上げ見通し

この記事の要約

独玩具製造業連盟(DVSI)は4日の年次総会で、玩具の価格が来年から大幅に上昇するとの見通しを明らかにした。原料価格の高騰に加え、主要生産地の中国での賃金上昇や景気回復に伴う海運料金の値上げなどで生産コストが押し上げられ […]

独玩具製造業連盟(DVSI)は4日の年次総会で、玩具の価格が来年から大幅に上昇するとの見通しを明らかにした。原料価格の高騰に加え、主要生産地の中国での賃金上昇や景気回復に伴う海運料金の値上げなどで生産コストが押し上げられているため。クリスマス商戦までの発注はすでに終了しているため、この契約が切れる年明けに値上げラッシュが起こるという。ドイツ玩具小売連盟(BVS)は、2ケタ台の値上げもあり得ると予想している。

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DVSIが同日明らかにしたところによると、伝統玩具の国内市場規模(小売ベース)は金融・経済危機のただ中の昨年も4.1%増の23億8,500万ユーロに拡大した。今年は景気回復と雇用情勢の改善を追い風に6%増の25億ユーロへと伸びる見通し。

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市場のけん引役として大きな役割を果たしているのは孫向けに購入する祖父母だ。経済的に余裕があり購買力が高いため、高額でも品質の高い玩具を購入することが多く、祖父母層が今年上半期に購入した総額は前年同期比23%増と急拡大した。特に未就学児の祖父母で「孫のためなら出費を惜しまない」傾向が強いという。このため業界内には値上げに伴う需要の大幅減は起きないないとの見方が広がっている。

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今年のクリスマス商戦ではレゴやプレイモービルなどの組み立て玩具、アクション効果のある玩具、ボードゲーム、バービー人形などに人気が集まる一方、コンピューターゲームは数年ぶりに前年を割り込む見通し。人気の新製品が少ないことが響く。

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