電機大手の独Siemens(ミュンヘン)が11日発表した2010年9月通期決算の主要3部門の営業利益は前期比4%増の77億8,900万ユーロとなり、2期連続で過去最高を記録した。上半期は業績が振るわなかったものの、下半期に入って受注と売り上げが急速に回復。最終利益は63%増の40億6,800万ユーロと大きく拡大した。ペーター・レッシャー社長は「われわれは危機から力強く抜け出した」と述べ、今後の業績拡大に自信を示した。
\売上高は759億7,800万ユーロで、前期から1%減少した。足元の欧州やアメリカ市場で前期実績をやや下回ったことが響いた。新興国事業は好調で、中国売上は12%、インドは同17%、ブラジルは32%増加している。新規受注高は3%増の811億6,300万ユーロに拡大した。
\主要3部門ではインダストリーが好調で、営業利益は29%増の34億7,800万ユーロと大幅に伸びた。産業オートメーションと照明機器子会社Osramが全体を押し上げた格好。エネルギー部門も化石燃料型発電所と送電事業が好調で、営業利益が7%増の35億6,200万ユーロに拡大した。一方、医療機器部門は診断機器事業の減損処理12億ユーロが響き、営業利益が48%減の7億4,800万ユーロへと縮小している。
\2011年9月期については内部成長ベースで新規受注が大幅に増加、売上高も緩やかに伸びると予想している。継続事業の最終利益は少なくとも25~35%の拡大を見込む。
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