香水世界最大手の米Coty(ニューヨー)は12日、独化粧品メーカーDr.Schellerを露Kalinaから完全買収すると発表した。メークアップ事業を強化する狙い。取引金額は公表していない。
\Dr.Schellerは1944年設立の化粧品会社で、成人向けブランド「Manhattan」、ティーンエージャー向けブランド「Manhattan Clearface」、自然化粧品ブランド「Dr.Scheller」を手がける。創業者一族の遺産相続問題がきっかけとなり、2005年にKalinaに買収された。生産は現在すべてロシアのKalina工場で行っている。
\CotyはDr.SchellerのManhattan、Manhattan Clearfaceの2ブランドを取得。ドイツのメークアップ用品市場でシェアを従来の7%から17%へと引き上げ、仏L’Orealに次ぐ2位に浮上する。
\Cotyは主力の香水事業よりもメークアップ事業の方が将来性が高いとみており、同社の売り上げに占めるメークアップ事業の割合を近い将来、現在の20%から25%へと引き上げる意向だ。Dr. Scheller買収のほか、傘下のCalvin Kleinブランドで独自のメークアップ製品ラインも構築して実現する。
\今回の買収に伴いDr.Schellerの事業を、マインツに本拠を置くCotyの独事業に統合する。エスリンゲンにあるDr.Scheller本社の社員およそ100人を今後どう処遇するかについては明らかにしていない。
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