一般人が手軽に購入できる低価格の電気自動車(EV)を、研究機関と企業が共同で設立したStreetscooter GmbHが開発している。来春にもプロトタイプを完成させ、2013年からは量産体制に入る意向だ。同社のアッヒム・カンプカー社長(34)などへの取材をもとに12日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\EVはバッテリー価格が高いことが普及の大きなネックとなっている。この問題を解決するのが同社の最大の目的で、アーヘンにあるライン・ヴェストファーレン工科大学(RWTH)が中心となり、研究者や企業がプロジェクトに取り組んでいる。
\開発中のモデルは大人2人と子供1人が乗車できるもので、価格は5,000ユーロを想定している。自動車大手のEVが数万ユーロに上ることを踏まえると大幅に安い。
\低価格の秘密は大きく分けて(1)コストを押し上げる最大の要因であるバッテリーを月極め料金でレンタルし、車体価格から除く(2)軽量素材など高額部品の使用を意図的に避ける(3)生産プロセスを工夫する――の3つ。カンプカー社長は(3)について、部品のモジュール化を徹底することで、通常100に上る自動車組み立て工程を20に減らすと説明した。
\バッテリーは独リューベックの小企業OMTから調達する。航続距離は100キロを超えるといい、大手メーカーのバッテリーに比べて大きな見劣りはない。
\カンパー社長はRWTHで生産管理講座を受け持つ研究者で、Streetscooterには他の学問分野の学者も参加している。パートナー企業は圧倒的に中小企業が多い。
\同社は2011、12年の2年間、試作車を10台製造し、13年から量産体制に入る。同年は2,000台を生産する計画だ。
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