肥料大手の独K+S(カッセル)は22日、カナダのカリウム鉱山会社Potash Oneに対する株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。農業向け需要が伸びるカリウムの生産能力を拡張する狙い。Potash Oneはカナダの世界的なカリウム大手Potash Corpとは資本関係がない。
\Potash Oneを最大4億3,400万カナダドル(約3億1,100万ユーロ)で買収する。1株当たりの価格は4.50ドルで、発表前日の終値(3.62ドル)を24.3%上回っている。Potash Oneの経営陣は同TOBに支持を表明した。TOBは全株式の3分の2以上を確保することを成立条件としている。
\Potash Oneはカナダ中西部のサスカチュワン州にカリウム鉱山を多数持っている。K+Sは同社の買収後、これら鉱山の開発に約25億ドル(18億5,000万ユーロ)を投資。2015年以降、塩化カリウムを年270万トン産出する。
\K+Sは現在、カリウム生産が750万トン。カナダのPotashをはじめとするトップグループとの差は大きく、新たな鉱山開発は緊急の課題となっている。
\K+Sは塩事業も強化しており、先ごろは米競合のMorton Saltを買収した。今後もロシア、中国、インドなど未進出の市場でM&Aの可能性を検討する。
\売却する方針の園芸用品子会社COMPOに関しては売却手続きが順調に進んでいるという。ただ、交渉条件が折り合わなければ手元に残す考えを示している。
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