欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/11/24

企業情報

Eon AG―ベトナムで事業開始―

この記事の要約

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は19日、ベトナムでクリーン開発メカニズム(CDM)事業を開始したと発表した。首都ハノイ近郊のナムソンごみ処理場から排出されるメタンガスを提携先の仏プロジェクト会社Bioner […]

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は19日、ベトナムでクリーン開発メカニズム(CDM)事業を開始したと発表した。首都ハノイ近郊のナムソンごみ処理場から排出されるメタンガスを提携先の仏プロジェクト会社Bionersisと共同で処理。同ごみ処理場で削減できた温室効果ガスの排出量を自社の排出量の削減分として充当する。同社は今回の事業をベトナム市場開拓の起点とする意向だ。

\

ナムソンごみ処理場から排出されるメタンガスを燃焼し、地球温暖化効果が相対的に小さい二酸化炭素(CO2)へと転換する。温暖化効果ガスの排出量を20年間で450万トン(CO2換算)削減できると見込んでいる。将来的には同処理場に5メガワット級の発電施設を建設する計画。

\

両社は東南アジアでCDM事業を共同展開しており、今年初頭にはタイのバンコクで同様のプロジェクトを開始した。今後も新たなプロジェクトを立ち上げる予定。

\

Eonは先ごろ、利益に占める欧州域外の事業の割合を2015年までに25%へと引き上げる計画を打ち出した。発電所などの建設需要が大きい新興国は同計画の要となる見通しで、今回の事業は同社の戦略上、大きな意味を持つ。Eonの排出権事業を統括するエルベ・トゥアッティ氏は経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』に対し「重要なのはベトナムで信頼を勝ち取ることだ」と述べ、ナムソンごみ処理場の事業を今後の受注獲得につなげることに意欲を示した。

\