自動車部品大手独コンティネンタル(ハノーバー)のエルマール・デーゲンハルト社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の取材に対し、車載インターネットシステムは今後数年で本格的な普及期に入るとの見方を明らかにした。車載インターネットは現在、高級車の一部に限られているが、「遅くとも4~5年後には全ての高級車で標準装備になる」見通しだ。
\自動車・自動車部品メーカーやITサービス企業は、車内でメール確認や交通情報などの検索ができる「走るオフィス」の実現に向け、車載インターネット(あるいは車載マルチメディア)システムの開発に注力している。コンティネンタルはドイツテレコムと提携し、中・小型車向け車載インターネットプラットフォーム「AutoLinQ」や、スマートフォンからの利用を想定した車載インターネット向けソフト「Apps fuer die Strasse」を開発、今年のハノーバー情報通信技術見本市(CeBIT)で発表した。
\自動車大手の仏プジョーはノートパソコンやスマートフォンなど4台のデジタル端末が同時にアクセスできる車載無線LANシステムのオプション装備を開始。米フォードは運転中にミニブログ「ツイッター」やインタネットラジオの「Pandra」「Stitcher」が聞ける新機能を車載マルチメディアシステム「Sync」に追加した。また、メルセデス・ベンツはこの春、新型「SLKクラス」で車載インターネットシステム「Comand」を標準装備した。標準装備したのは同社が業界初という。
\米コンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、本格的な普及が始まるのは3~5年後で、まず高級車のオプション装備として利用が広まると予測する。
\一方、ドライバーがネット操作に気をとられて事故につながる可能性も指摘されており、全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は、運転に本当に必要な機能だけに限定するとともに、追突事故などを防ぐため、渋滞時の使用も制限するようメーカーに求めている。
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