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2010/11/24

経済産業情報

靴製品から有害物質、当局が警鐘

この記事の要約

連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)は16日、2009年の年次報告書を発表した。それによると、サンダル、ブーツなどの靴製品331点を対象に実施した検査で、全体の83%に当たる274点から多環芳香族炭化水素(PAH)が検出 […]

連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)は16日、2009年の年次報告書を発表した。それによると、サンダル、ブーツなどの靴製品331点を対象に実施した検査で、全体の83%に当たる274点から多環芳香族炭化水素(PAH)が検出された。ベンゾ[a]ピレンが含まれていた製品は32点、米環境保護局(EPA)が指定する特に有害性の高い16種類のPAH全てが含まれていた製品も4点に上った。

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PAHは2~3環、あるいは3環以上の環式化合物で、ゴムを柔らかくするための可塑剤として使用されている。PAHの種類によっては発がん性、遺伝子毒性、催奇形性が確認されており、欧州連合(EU)では今年からタイヤでの使用が全面禁止された。ただ、タイヤ以外では具体的な規制がなく、ドイツでは業界の自主規制でEPAの指定する16種類について含有量の上限値を設定している。

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PAHが含まれた靴製品が特に多かったのは革製(93%)と樹脂製(85%)。また、布製でも検査した4点のうち3点からPAHが検出された。

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靴製品全体のうち234点で16種類のPAH含有量を詳細に分析したところ、樹脂製品で82点中26点、革製品で14点中2点から許容値を上回るPAHが検出された。

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BVLはまた、革製品(製品の一部に革が使用されているものも含む)588点を対象に、六価クロムの含有を調べる検査も行った。この結果、六価クロムが検出されたのは全体の42.5%(250点)で、キログラム当たり含有量が10ミリグラムを超えたものも81点(16%)に上った。

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生皮を加工する際に三価クロムをなめし材として利用するが、扱いを誤ると有害な六価クロムが発生する。

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