ハンブルク州の緑の党(GAL)は11月28日の議員・執行部会議で、保守政党・キリスト教民主同盟(CDU)との連立政権を解消する方針を決議した。これを受けCDUは議会の解散方針を打ち出しており、来年2月にも総選挙が行われる見通しだ。
\同州のCDUとGALは2008年春に政権合意し、州レベルで全国初の保守・緑政権を誕生させた。政権発足と運営ではCDUのオーレ・フォンボイスト首相(当時)が両党の溝を埋める調整役として首尾よく活動。保守派と緑の党が政権を共同運営できることを強くアピールしてきた。
\だが、今夏に実施された住民投票で州政府の学制改革政策が否決され、フォンボイスト首相が辞任すると両党の関係は悪化。GALは政権内の信頼関係が失われたとして連立離脱を打ち出した。州政府の閣僚辞任が今年に入って相次いでいるほか、クリストフ・アールハウス現首相(CDU)が保守色を強調していることが原因となった。
\緑の党の支持率が最近、急速に高まっていることも政権解消を後押ししたとみられる。政策面で緑の党と距離が近い社会民主党(SPD)のオーラフ・ショルツ州委員長は次期州首相就任に意欲を示しており、選挙でGALとSPDが過半数を獲得すれば、中道左派の新政権が誕生する見通しだ。中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)からなメルケル連邦政権には大きな痛手となる。また、ハンブルク州政府が推進してきたエルベ川浚渫事業は宙に浮く恐れがある。
\