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2010/12/1

経済産業情報

中国車が欧州安全性テストに初合格

この記事の要約

2005年に欧州市場進出を図ったものの安全上の欠陥が露呈し撤退を余儀なくされた中国の自動車メーカー江鈴汽車(Jiangling)が、5年を経ての再挑戦で欧州参入のハードルを乗り越えた。ユーロNCAPコンソーシアムは11月 […]

2005年に欧州市場進出を図ったものの安全上の欠陥が露呈し撤退を余儀なくされた中国の自動車メーカー江鈴汽車(Jiangling)が、5年を経ての再挑戦で欧州参入のハードルを乗り越えた。ユーロNCAPコンソーシアムは11月24日に発表した衝突安全性テスト報告で、同社の中型ミニバン「Landwind(陸風)CV9」が2つ星の評価を得て合格したことを明らかにした。CV9はオランダですでに市場投入されており、ドイツでも来春をめどに発売される見通しだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が11月26日付で報じた。

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ユーロNCAPの試験報告によると、CV9はサイドエアバッグ、横滑り防止装置(ESC)が装備されていないほか、むち打ち防止システムも導入されていないなど安全性にはまだ疑問が残る。アウディ「A1」やセアト「アルハンブラ」など他メーカーのモデルが軒並み最高評価(5つ星)を得たなかで2つ星はかなり見劣りするものの、旧モデルが05年のドイツ自動車連盟(ADAC)安全性テストで史上最低点(星なし)という不名誉な結果に終わったことを考えると、大きな進歩を遂げたと言える。

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Landwindの欧州販売事業者LWMC Europe BVのPeter Bijvelds社長はロイター通信に対し、「厳しいNCAPのテストに初めて合格した中国車を我々が販売できて嬉しい」とコメントした。また、中国ブランドの販売に関心を示すドイツの輸入業者は確実に増えているとして、今後数年以内に中国勢の欧州進出が本格化するとの見通しを示した。

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