独Thyssenkruppが6月に操業を開始したブラジルの新鉄鋼工場が周辺の環境を汚染しているとして、地元リオデジャネイロ州最高検察庁はこのほど、現地子会社の経営者を起訴した。裁判の結果次第では賠償金支払いや補助金削減、工場の部分ないし全面閉鎖を命じられる恐れがあるようだ。同社はマスコミに対し「従業員と工場周辺の住民の健康は一切、損なわれていない」として容疑を全面的に否定している。
\捜査当局は周辺住民の告発を受けて捜査を開始、工場が大気汚染を引き起こしているとして、現地法人の経営者2人を起訴した。最悪の場合、2人には懲役19年以上の刑が下される恐れがあるという。
\当局はこれとは別に、現地法人が民間武装勢力を工場の警備に当たらせている容疑でも捜査を進めている。同社はこれについて、敷地内では武器の持ち込みが禁止されており、武装勢力を雇い入れている事実もないと反論。容疑には根拠がないとしている。
\Thyssenkruppはブラジルの鉄鋼工場で半製品ブルームを年500万トン生産。これを10日に開設した米工場などで完成品へと加工する。ブラジル工場の操業が仮に停止されると、川下過程もすべてストップすることになるため、今回の起訴は同社の今後に大きな影を落としている。
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