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2011/1/26

経済産業情報

独ソーラー業界、国外事業強化へ

この記事の要約

ドイツのソーラー企業が国外への進出を強化している。国内ではソーラー補助金引き下げで普及や投資にブレーキがかかり、市場の縮小が懸念されているためだ。ただ、ソーラー発電を支援する他の国にも補助金削減の動きがあるなど道のりは平 […]

ドイツのソーラー企業が国外への進出を強化している。国内ではソーラー補助金引き下げで普及や投資にブレーキがかかり、市場の縮小が懸念されているためだ。ただ、ソーラー発電を支援する他の国にも補助金削減の動きがあるなど道のりは平たんでない。自国企業を優遇する保護主義の台頭やモジュール価格下落もマイナス材料だ。21日付『ハンデルスブラット』が報じた。

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独連邦環境省と独ソーラー工業連盟(BSW)は20日、ソーラー電力向け助成額を7月から最大15%引き下げることで合意したと発表した。12年から予定されている9%の引き下げと合わせると、最大で24%のカットになる。

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ソーラーモジュールメーカーのCentrosolarは早くから事業の国際化を推し進めており、売上高に占める国外事業の割合は3分の2を占める。同社の2010年売上高は国内事業が前年並みにとどまったものの、イタリア、スペイン、フランスがけん引車となり全体で約20%増加したもようだ。

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ソーラー業界が特に期待するのは米国市場だ。コンサルティング大手ローランド・ベルガーの試算によると、欧州ソーラー設備市場の今後10年の成長率が年平均7%にとどまるのに対し、米国では同30%の高い成長率が見込まれている。特に日照時間の長い南西部では、ソーラー電力価格が今後数年で従来型電力とほぼ同じ水準にまで下がると予想されており、設備メーカーはソーラーブームが起こるとみている。

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ただ、足元の欧州ではチェコがソーラー発電に対する課税などを柱とする法案を議会で可決。スペインもソーラー電力補助金の減額を決定した。主要市場のフランスやイタリアにも同様の動きがある。また、中国に関しては政府当局が自国企業の優遇を強めていると指摘されている。

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