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2011/2/2

経済産業情報

エタノール10%混合燃料が流通、価格設定に不自然な点も

この記事の要約

エタノールを10%混合したガソリン(E10)が市場に出回り始めた。まだ販売していないガソリンスタンドもあるものの、第1四半期中にはほぼすべての店舗で取り扱いが始まる見通しだ。\ エタノールは穀物やサトウキビなどを原料とす […]

エタノールを10%混合したガソリン(E10)が市場に出回り始めた。まだ販売していないガソリンスタンドもあるものの、第1四半期中にはほぼすべての店舗で取り扱いが始まる見通しだ。

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エタノールは穀物やサトウキビなどを原料とする燃料で、原油から造られるガソリンに比べ製造コストが高い。このため、エタノール混合比率が高いE10をE5よりも低コストで生産することはできない。だが『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙がフランクフルト空港近辺のEsso系列店で1月27日に調べた市販価格は1リットル当たり1.479ユーロで、以前から導入されているエタノール5%混合ガソリン(E5)を約1セント下回っていた。

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背景には、販売したエタノール混合ガソリン(E5とE10 )の「バイオ比率(Bioquote)」*が平均で6.25%に達しないと制裁金を科されるという事情がある。E5の販売比率が高いと6.25%に届かないため、E10の価格を低くして需要を喚起する狙いのようだ。E5の価格が不当に高く設定されている可能性も否定できない。

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* エネルギー効率をベースとしたバイオ燃料の混合比率。エタノールはガソリンに比べエネルギー効率が約30%低いため、バイオ比率で6.25%を達成するには体積ベースで約8.3%のエタノールを混合しなければならない。

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