ダウンロード版ソフトウエアのライセンス転売の是非をめぐる裁判(訴訟番号:I ZR 129/08)で独連邦司法裁判所(BGH、最高裁)は3日、欧州司法裁判所(ECJ)の判断を仰ぐと発表した。転売されたライセンスの購入者がドイツとEUが規定する「正当な購入者(権利者)」に当たるかどうかなどを明確にすることを求める。
\同係争の被告は米オラクルの法人向けソフト(ダウンロード版)のライセンスを購入した中古ソフト販売大手usedSoft(ミュンヘン)。顧客から譲り受けたオラクルのダウンロード版ソフトのライセンスを転売し、そのライセンスを購入した別の顧客がオラクルのサイトからソフトをダウンロードした。
\オラクルはこれを問題視し、「ユーザーにソフトのダウンロード(複製)の権利を認められるのは著作権保持者だけだ。usedSoftはライセンス転売によって顧客にソフトを複製させており、著作権侵害に当たる」として提訴した。オラクルは1審、2審でともに勝訴、これを不服とするusedSoftがBGHに上告していた。
\BGHの裁判官は、「コンピューターソフトの著作権保護に関する欧州指令(2009/24/EC)及びこれを国内法に転換した独著作権保護法(UrhG)69c条第1項の規定に従えば、ソフトの複製には著作権保持者の許可が必要」として、オラクルの許可なくソフトを複製したことは違法との判断を示した。その一方で、UrhG第69d条第1項に従えば「“正当な購入者(lawful acquirer)”がコンピューターソフトをその意図された範囲内で使用するために必要な場合は、特にそれを禁じる規定がない限り、著作権保持者の許可なく複製できる」と指摘。そのうえで◇中古ソフトのライセンス購入者が正当な購入者に当たるのか◇また当たるとすればどのような条件が必要か――を明確化するようECJに要請した。
\