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2011/2/23

経済産業情報

二酸化炭素からプラスチック合成 パイロット施設が稼働開始

この記事の要約

二酸化炭素(CO2)を原料に樹脂を合成するパイロット施設が17日、レバークーゼンの化学工業団地(CHEMPARK)で稼働を開始した。化学大手バイエル、アーヘン工科大(RWTH)などの産学チームが開発したもので、地球温暖化 […]

二酸化炭素(CO2)を原料に樹脂を合成するパイロット施設が17日、レバークーゼンの化学工業団地(CHEMPARK)で稼働を開始した。化学大手バイエル、アーヘン工科大(RWTH)などの産学チームが開発したもので、地球温暖化の原因となるCO2の削減と石油資源節約に貢献できる技術として注目を集めそうだ。

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同パイロット施設では、触媒反応を用いてポリウレタンの原料となるポリエーテルポリカーボネートポリオール(PPP)を作り出す。触媒の開発はRWTHのCAT触媒センターが中心となって行った。

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原料となるCO2はケルン近郊のベルクハイム市ニーダーアウセム地区にあるRWEの褐炭発電所が提供する。同発電所には燃焼排ガスからCO2を分離・回収する国内初の施設が設置されており、極めて高純度のCO2供給が可能だ。また、パイロット施設の稼働に合わせてCO2液化処理施設を併設し、約30キロ離れたレバークーゼンまで輸送できる体制を整えた。

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今回のパイロット施設は、CO2からの資源生産プロジェクト「Dream Production」にもとづくもので、連邦教育研究省(BMBF)から補助金450万ユーロを受けている。プロジェクトに参画しているのはBayer Technology Services(BTS)、Bayer MaterialScience(BMS)、RWE Power、独航空宇宙局(DLR)とRWTHの5機関。

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