独刃物・金属食器製造業界の2010年売上高は前年比5%増の18億ユーロへと拡大し、経済危機の直撃で13%減となった09年からやや持ち直した。輸出の回復が原動力となった。業界団体の刃物・日用品製造業連盟(IVSH)が消費財見本市Ambienteで発表した。
\好調だったのは刃物類で、売上高は15.2%増の9億6,500万ユーロに拡大した。ドイツ製包丁とカミソリ刃の需要が国外で高く、輸出は22.1%増と伸び率が特に大きかった。
\一方、家庭・キッチン用品、銀食器部門の売上高は6%減の6億7,000万ユーロに落ち込んだ。国内売上が16%減少したことが響いた。輸出は17%増加している。鋳鉄・ステンレス製鍋の人気が高まっていることが追い風となった。
\カトラリー(ナイフやフォークなど)の売上高は1億5,500万ユーロで、1.6%増加した。銀製品が16.5%拡大して全体をけん引した格好。シルバーカトラリーを投資の対象とする人が増えたことが背景にあるようだ。
\IVSHは今年も業界売上が増加すると見込む。懸念材料としてはニッケルなど原料の価格高騰と人件費の上昇を挙げている。同業界では4月に賃金が2.7%引き上げられることが決まっている。
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