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2011/3/2

経済産業情報

スウェーデンで低炭素生活プロジェクト開始

この記事の要約

スウェーデンの首都ストックホルムで低炭素社会の実現に向けた環境プロジェクト「One Tonne Life」がスタートした。二酸化炭素(CO2)削減につながるあらゆる技術を投入したモデル住宅に家族が実際に生活し、CO2の排 […]

スウェーデンの首都ストックホルムで低炭素社会の実現に向けた環境プロジェクト「One Tonne Life」がスタートした。二酸化炭素(CO2)削減につながるあらゆる技術を投入したモデル住宅に家族が実際に生活し、CO2の排出量を1人年1トンにまで減らすことを目標に掲げている。2月22日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

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FAZ紙によると、住民1人当たりの年間CO2排出量は欧州平均が9トン。ドイツは11トンで、米国は22トンに上る。一方、スウェーデンは再生可能エネルギーの利用率が高いうえ、温暖化防止対策にも積極的に取り組んでおり、排出量は7.29トンにとどまる。

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今回のプロジェクトでは、日常生活から排出されるCO2の削減に重点が置かれている。住宅は太陽エネルギーを利用して冷暖房や照明エネルギーを最低限に抑えるパッシブハウスを採用。家屋は三重ガラス窓と断熱材を多用することで熱を逃さない構造になっており、電気使用量を太陽光発電量が上回った場合は売電できる。設計と建設はスウェーデンのプレハブメーカーA-Husが担当した。

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家電のエネルギー効率も重要なポイントで、今回のプロジェクトでは協賛する独シーメンスが開発した高性能オーブンや冷蔵庫、洗濯機、食洗機を設置。節電の効果を検証する。

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モビリティの分野では独ボルボ・カーズの「C30」をベースとした電気自動車「C30 EV」を利用する。電力はすべて再生可能エネルー由来のものを投入。充電技術は電力大手バッテンフォールが提供する。

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モデル住宅で生活するのは応募で選ばれたリンデルさん一家。エネルギー利用状況や排出したCO2量は随時ウェブサイト上で公表される。また、ミニブログや動画共有サイトを通してリンデルさんらの「エコ生活」を誰でもフォローできる。

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