建物内エネルギー効率フォーラム(VdZ)が15日発表した暖房設備に関するアンケート調査で、過去2年に古い暖房設備を全面ないし部分的に入れ替えた家主は5人に1人に過ぎないことが分かった。家主の9割は暖房の改修で省エネ・省コストが可能なことを認識しているものの、全体の8割は「まだ使えるから改修しない」と回答。意識と行動に大きな隔たりがあることが浮き彫りになった。
\市場調査会社TNS EmnidはVdZの委託を受けて今年2月、全国の家主1,052人を対象に電話アンケート調査を実施。暖房設備の修理・改修実施の有無やその理由などをたずねた。
\暖房設備に関して過去2年に行った作業(複数回答)を質問したところ、「定期点検」は58%、「小規模の修理」は29%、「既存設備の性能アップ」は25%、「全面/部分的に入れ替えた」は19%で、何らかの作業を行った家主は計65%だった。
\「暖房設備を将来、取り替えるとしたら何が最大の目的になると思うか」との質問では「省エネ・省コスト」が90%、「CO2の排出量削減」が83%に達し、設備の近代化によるコストや環境へのメリットを認識していることが分かる。
\設備の改修/既存設備の性能アップを行っていない家主に理由をたずねたところ「今の暖房設備がまだ動くため、改修は不要」が86%で最も多かった。これに「補助金が少なすぎる/どんな補助金が受けられるか知らない」(47%)、「どんな暖房技術があるかよく知らない」(32%)、「家のエネルギー使用状況が分からない」(28%)、「暖房近代化で生じるメリットが不透明」(27%)が続いており、知識・情報不足が改修の大きな妨げになっていることが鮮明になった。
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