連邦政府は23日の閣議で、家族介護法案を了承した。被用者が家族を介護しながら職業生活を継続できる環境を整えるのが狙いで、所轄大臣のクリスティーナ・シュレーダー家族相は「(家族を介護する)人々から失業や老後の貧困などの懸念を取り除くことは、企業と政治が共同で取り組むべき課題だ」との立場を表明した。
\ドイツには介護を受ける市民が225万人おり、そのうちの150万人以上は自宅で生活している。また、就労者の65%は家族の介護を可能な限り自らの手で行いたいと考えている。
\だが、実際に介護を行うと職業生活との両立が難しいという現実がある。政府はこれを踏まえ、家族の介護期間中は被用者の週勤務時間を2年間を上限に最大15時間まで引き下げられるようにする考えだ。
\勤務時間が減ると、通常はそれに比例して給与支給額も減少するため、被用者が生活に行き詰る恐れがある。政府はこれを踏まえ、介護期間中の給与の減少幅を緩和するルールを導入する。具体的には将来の給与の一部を企業に前払いさせる方針で、例えばフルタイムの被用者が勤務時間を半分に減らした場合は介護開始前の支給額の75%が支給される。前払いされた給与は介護終了後に社員の給与から天引きの形で返済される。
\政府は給与の前払いを支援するため、政策金融機関KfWグループを通して企業に無利子の貸付を行う。企業は社員からの天引き額をKfWへの返済に充てればよいため、給与の前払いに伴う負担を全面的に回避できる。
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