ドイツの冷凍食品市場が成長を続けている。独冷凍食品研究所の発表によると、2010年の小売売上高は前年比1.3%増の112億7,500万ユーロに拡大。数量ベースでは1.9%増の328万トンに上った。国民1人当たり年間消費量は2.3%増の40.2キログラム(kg)で、初めて40キロの大台に乗った。
\一般消費者(個人客)向け市場では、売上高が0.3%の672万ユーロでわずかに前年を割り込んだものの、数量ベースでは0.8%増の175万トンに拡大した。最大のけん引役はピザで、販売量は5.1%増加。ベーカリー食品(パン・ケーキ類)も好調で、高級トルテやカット済みケーキを中心に3.3%成長した。
\ジャガイモ製品ではフライドポテトが引き続きトップの座を独走したほか、新製品も好調に推移した。肉製品では鹿や鴨など野禽がけん引車となり10%増加。また、温めるだけで手軽に食べられる調理・加熱済み品を購入する消費者が増え、冷凍生肉は低迷した。同様の傾向は魚でもみられ、パン粉付きや調理済みは好調に推移した一方、冷凍生魚は伸び悩んだ。
\飲食業向けは売上高が3.7%増の471万ユーロ、販売量も3.2%増の153万トンにそれぞれ拡大した。景気回復で外食する人が増えたことが追い風となった。特に好調だったのはベーカリー食品(7%増)で、冷凍パンやプチパンがけん引役となった。また、社員食堂やファストフードレストランの利用が上向いたことで、フライドポテトや付け合わせ野菜も需要が増加した。
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