従業員の社内代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の活動に必要な経費は雇用主が負担しなければならない。これは事業所体制法(BetrVG)40条1項に記された決まりである。しかし、何が必要な経費かということをめぐっては雇用主と事業所委員の間でしばしば意見の相違が生じる。ここでは事業所委員長の弁論講習会参加をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が下した1月に下した決定(訴訟番号:7 ABR 94/09)をお伝えする。
\裁判を起こしたのは従業員900人の企業A社で運転手として雇われている事業所委員長。従業員集会や事業所委員の会合など人前で話す機会が多いことから、1週間の弁論講習会への参加許可と費用負担を雇用主に申請した。これが受け入れられなかったため、提訴した。
\連邦労裁はこの問題で、事業所委員の業務遂行に必要な知識をもたらす研修への参加を認めた事業所体制法(BetrVG)37条6項第1文の規定を指摘。事業所委員長には弁論講習会への参加が必要なこともありうるとの原則判断を示した。
\ただ、原告は講習会への参加を申請した際に開催される場所と日時を正確に記述していなかったため、どの講習会に参加するのかが不明確だったとも指摘。被告のA社が申請を却下したのは妥当だと言い渡した。
\