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2011/5/4

経済産業情報

ドイツ鉄道がICE停車駅の削減検討

この記事の要約

長距離定期路線バス市場の自由化法案が5月末に連邦議会(下院)で可決される見通しとなったことを受け、ドイツ鉄道(DB)が利用者数の少ない駅をICE(高速鉄道)の停車対象から外すことを検討している。自由化されると、鉄道からバ […]

長距離定期路線バス市場の自由化法案が5月末に連邦議会(下院)で可決される見通しとなったことを受け、ドイツ鉄道(DB)が利用者数の少ない駅をICE(高速鉄道)の停車対象から外すことを検討している。自由化されると、鉄道からバスに乗客が流出し、ICEの収益低下が予想されるためで、DBは停車駅を利用者の多い都市に絞り込むことで対応したい考え。同社のウルリッヒ・ホンブルク旅客運輸担当取締役が『フィナンシャルタイムズ(ドイツ版、FTD)』紙のインタビューで明らかにした。

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ドイツでは1930年代に制定された連邦旅客輸送法(PBefG)で、DBによる長距離定期バス市場の独占が事実上、認められている。中道右派の現政権はこの現状を改め、鉄道より安価な民営の長距離バスを促進。消費者の選択肢を広げる考えだ。

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ペーター・ラムザウアー連邦交通相は同法案について、乗用車の代わりにバスを利用する市民を増やし、環境保護を強化するのが狙いだと指摘。鉄道を脅かすことはないと強調している。また、ドイツ消費者センター連盟は鉄道とバスでは利用者層が全く異なると指摘。法改正を理由に停車駅を削減するのは筋違いだと批判している。

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