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2011/5/11

経済産業情報

導電性複合材でカーボンナノチューブ添加量節約が可能に

この記事の要約

カーボンナノチューブ(CNT)を配合して導電性を付与したポリマー複合材で、CNTの添加量を減らして製造コストを低減する技術をルクセンブルク大学のタニヤ・シリング教授を中心とする国際研究チームが開発した。少量の導電性高分子 […]

カーボンナノチューブ(CNT)を配合して導電性を付与したポリマー複合材で、CNTの添加量を減らして製造コストを低減する技術をルクセンブルク大学のタニヤ・シリング教授を中心とする国際研究チームが開発した。少量の導電性高分子のコロイド溶液(ラテックス)をポリマーに添加すると、導電性が発現するパーコレーション閾値(母材の非導電性が導電性に変化したときの導電体の最小濃度)が大きく下がることを確認した。

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CNTは導電性に優れており、少量を添加すると本来は絶縁体である樹脂でも高い導電性を持つようになる。ただ、添加に使用する高純度の単層CNTは1グラム当たり数万円~数十万円と高価なため、ルクセンブルク大、蘭アイントホーフェン大および蘭ポリマー研究所からなる研究チームは、導電性を維持しながらもCNTの添加量が極力少ない低コストのポリマー複合材生産技術の開発に取り組んだ。

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理論と実験の両面から研究を進め、様々な条件でCNTとポリマー母材をベースにした複合材料を調製、CNTのパーコレーション閾値を調べた。この結果、絶縁性のポリマーとCNTに、第3の材料として導電性ポリマーラテックスのコロイド粒子を少量添加することで新たなネットワークが構築され、少量のCNTでも同様の導電性が得られることを突き止めた。研究成果は『Nature Nanotechnology』に掲載された。

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