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2011/5/25

総合 - ドイツ経済ニュース

緑の党の躍進続く、州議選で保守大政党を凌駕

この記事の要約

ドイツ北部のブレーメン州で22日州議会選挙があり、同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)と緑の党が過半数を大幅に超える議席を確保した。緑の党は得票率を4年前の16.5%から22.5%(暫定値)へと大きく拡大。同国 […]

ドイツ北部のブレーメン州で22日州議会選挙があり、同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)と緑の党が過半数を大幅に超える議席を確保した。緑の党は得票率を4年前の16.5%から22.5%(暫定値)へと大きく拡大。同国の州議選で初めて中道右派の大政党・キリスト教民主同盟(CDU、得票率20.3%)を上回った。ドイツでは日本の原発事故を追い風に緑の党の躍進が続いており、南部のバーデン・ヴュルテンベルク州で3月に実施された州議選では全国初の緑の党の州首相が誕生した。

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SPDの得票率は38.7%で、前回の36.7%から2ポイント増加。議席数を32から36へと伸ばした。緑の党の議席数は7増の21。両党は議席数が計57で過半数の42を大きく超えており、連立政権を維持する方針だ。

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CDUは議席数を23から20へと落とした。全国レベルで同党と連立する中道右派の自由民主党(FDP)は得票率が6%から2.4%へと大きく低下、議席獲得に必要な5%を下回った。両党はメルケル連邦政権の求心力低下が響き、このところ州議選で大敗が続いている。

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最左派の左翼党は得票率を8.4%から5.7%へ落したものの、5議席を確保した。またポピュリズム政党・怒れる市民(BIW)は州全体の得票率が3.6%にとどまったものの、ブレーマーハーフェン市で同5%を超えたため、州選挙法の規定により1議席を獲得した。

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今回の選挙は有権者の最低年齢を全国で初めて18歳から16歳に引き下げて実施された。また、選挙方式が複雑になったため、集計・確認作業に時間がかかっており、最終結果の確定は6月になると見込まれている。

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