韓国のハンコックタイヤが近く、高級車大手の独BMW向けにタイヤの供給を開始する。自動車レースの分野でも存在感を高めてブランドイメージを向上、欧州市場の開拓を加速する計画だ。欧州法人Hankook Tire Europe GmbHのJin Wook Choi最高執行責任者（COO）などへの取材をもとに5月30日付『フランクフルター・アルゲマイネ（FAZ）』紙が報じた。
\同紙によると、ハンコック製タイヤを装着したBMWの小型車生産は6月末にも始まるもよう。ハンコックは欧州市場向け製品をハンガリー工場で2007年から製造しており、顧客には現代自動車のほか、Volkswagen（VW）、Audi、Opel、General Motors（GM）、Fordも名を連ねる。生産規模は昨年が500万本。来年にはこれを1,200万本に引き上げるが、需要に供給が追い付かないため輸入も実施するとしている。
\低価格は同社の有力な武器の1つで、競合よりも20％安く製品を販売している。欧州市場シェアは現在7％で、中期的に2ケタ台に乗せる目標を掲げる。
\ブランドイメージの向上に向けては最近、ドイツツーリングカー選手権（DTM）へのタイヤ供給を開始した。F1への供給にも意欲を示している。Choi・COOはFAZ紙に対し「DTMとF1は直接的に利益の出る事業ではないが、プレミアム事業への進出は報われる」との立場を明らかにした。
\
