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2011/6/8

企業情報

―マレーシアに新工場建設か―

この記事の要約

半導体大手の独Infineon(ミュンヘン)は、300ミリウエハー対応の高性能半導体工場を独ドレスデンかマレーシアのどちらかに建設する方向だ。ペーター・バウアー社長が明らかにしたもので、補助金など誘致条件を比較した上で年 […]

半導体大手の独Infineon(ミュンヘン)は、300ミリウエハー対応の高性能半導体工場を独ドレスデンかマレーシアのどちらかに建設する方向だ。ペーター・バウアー社長が明らかにしたもので、補助金など誘致条件を比較した上で年内に最終決定する。急成長が続くアジア市場の顧客のニーズに迅速に応じるため、マレーシアに白羽の矢を立てる可能性は十分にある。

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Infineonは景気回復に伴う受注の急増に生産が追いつかない状態が続いており、生産能力の拡大が急務となっている。同社は新工場に今後5年で10億ユーロを投資する計画で、大型投資に対する見返りとして選定先の政府から数千万ユーロ規模の公的支援を取り付けたい考えだ。バウアー社長はマレーシアを訪問中に、「我々はドイツ連邦政府、ザクセン州、マレーシア政府当局と交渉している」と発言し、公的支援の内容が大きな決定要因となることを示した。

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マレーシアはドイツに比べ労働コストが安いうえ、教育水準の高い人材も獲得しやすい。ただ、300ミリウエハー対応の生産設備がないため一から建設する必要がある。これに対しドレスデン工場は2009年に清算されたメモリー大手キマンダの対応施設を1億ユーロで取得しており、建設費を圧縮できる。

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Infineonは2015年までに売上全体に占めるアジア事業の割合を50%に拡大する方針を掲げる。10年は同割合が42%だった。

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