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2011/6/22

ゲシェフトフューラーの豆知識

育休期間中の有給休暇は12分の1削減

この記事の要約

育児休暇手当の支給制度が2007年1月からスタートしたことを受け、育休の取得者が増加した。しかし、新しい制度が始まれば新しい問題が起こるのは世の常である。ここでは育休期間中の有給休暇の取り扱いをめぐる問題を最高裁の連邦労 […]

育児休暇手当の支給制度が2007年1月からスタートしたことを受け、育休の取得者が増加した。しかし、新しい制度が始まれば新しい問題が起こるのは世の常である。ここでは育休期間中の有給休暇の取り扱いをめぐる問題を最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が5月に下した判決(訴訟番号:9 AZR 197/10)に即して取り上げてみたい。

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裁判を起こしたのは金属業界団体ゲザムトメタルに所属する企業に勤務する障害者の男性。同社員は労使協定に基づき年次有給休暇を30日、社会法典Ⅸ125条1項の規定に基づき障害者特別年次有給休暇を5日、取得できる。08年8月16日から10月15日までの2カ月間、育休を取得したところ、雇用主から2カ月分の有給休暇を差し引かれたため、これを不当として提訴した。

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第1、第2審は原告の訴えを認め、最終審のBAGも下級審判決を支持した。判決理由で裁判官は、育休期間中の有給休暇日数を月当たり12分の1削減することを雇用主に認めた有給休暇法(BEEG)17条1項の規定を指摘。そのうえで、12分の1を超えて有給を削減するのは違法だとの判断を示した。

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