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2011/7/6

企業情報

RWE AG―英子会社npower売却か―

この記事の要約

エネルギー大手の独RWE(エッセン)が英子会社npowerの売却を検討しているもようだ。利益が上がらず業績の足かせになっているためで、投資銀行のGoldman Sachsに今後の取り扱いについて提案を依頼したという。英『 […]

エネルギー大手の独RWE(エッセン)が英子会社npowerの売却を検討しているもようだ。利益が上がらず業績の足かせになっているためで、投資銀行のGoldman Sachsに今後の取り扱いについて提案を依頼したという。英『サンデー・タイムズ』紙によると、英国市場からの全面撤退も視野に入れているという。一方、RWEは独『ハンデルスブラット』紙に対し、「英国は今後も中核市場にとどまる」とコメントしている。

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RWEは2002年、世界市場での競争力を強化するために英国のエネルギー大手Innogyを31億ポンドで買収。その後同子会社をnpowerに社名変更した。

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npowerは英国の発電シェアで8%を占め、680万世帯に電力とガスを供給している。昨年は発電部門で営業赤字(EBITベース)3,800万ポンド、販売部門でも同9,000万ポンドを計上した。英国市場は競争が厳しいものの、競合4社は黒字を確保しており、同社の業績不振が目立つ。

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英国では政府が再生可能エネルギー発電を強化する方針で、国内発電に占める同割合を2020年までに現在の2%強から15%に引き上げる計画を打ち出している。このため、同国の発電事業者は巨額の投資を迫られる見通しで、この事情もnpowerの売却観測につながったもようだ。

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RWEが同子会社を放出する場合、一括売却は難しく、部分売却になる可能性が高いという。売却先候補としては英Scottish Powerを傘下に持つスペインの同業Iberdrolaの名が挙がっている。

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RWEは2000年に買収した英水道大手Thames Waterについても事業戦略の変更を受けて06年に売却した経緯がある。

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