スマートメーターの設置効果で家庭の電力消費量は3.7%減少する――。フラウンホーファー・システム・イノベーション研究所(ISI)などが実施している独墺共同プロジェクト「Intelliekon」で、こんな結果が明らかになった。時間帯別の変動料金制も導入した世帯では省エネ効果がさらに高く、消費電力は9.5%減ったという。
\Intelliekonは独連邦教育研究省(BMBF)が支援する家庭の電力消費行動調査プロジェクトで、ISIのほか社会経済研究所(ISOE、フランクフルト)、独9都市、墺リンツ市のエネルギー公社など15機関が参加。実験に協力する世帯は独墺合わせて2,000世帯以上に上る。今回のプロジェクトではスマートメーターを設置して電力消費を「見える化」するにとどまらず、◇メールや郵便、ウェブポータルで伝えられた電力消費行動分析報告(フィードバック情報)が需要家にどのように受容されるか◇これらのコミュニケーション手段が電力消費行動にどのような影響をもたらすか――といった社会学的な側面もあわせて調査された。
\この結果分かったのは、節電のコツや「こうすればもっと節電できる」といった具体的な指摘が節電意欲の向上に大きな役割を果たすことだ。ISOEの研究員は「詳しい電力消費動向をリアルタイムに知らせても、必ずしも節電に結びつくわけではない」と明言する。
\プロジェクトチームは10月末の発表会で詳細を報告する。
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