ドイツの自動車市場で二極化が進んでいるもようだ。旺盛な需要に生産が追い付かない高級車メーカーが一部製品の値上げを発表する一方で、大衆車メーカーは20~30%の大幅割引を余儀なくされている。5日付『南ドイツ新聞』が報じた。
\自動車市場は現在好調で、独自動車工業会(VDA)によると、今年上半期の乗用車新車登録台数は前年同月比10%増の160万台と大きく拡大した。多くのブランドが販売を伸ばしている。
\だが、一歩踏み込んでみると、大衆車メーカーの多くは割引を通して販売を増やしている。デュースブルク・エッセン大学・自動車リサーチセンター(CAR)のフェルディナンド・ドゥーデンへファー教授はこれについて、「自動車各社は(金融危機以降に積極化した)大幅割引に慣れてしまったのだろう。自動車市場盛況の今が価格を元に戻すまたとない機会だが、実行は限定的だ」と指摘した。投資銀行のバンクハウス・メツラー(フランクフルト)のユルゲン・ピーパー氏によると、大衆車市場は縮小する可能性があり、すでにその兆候が出ているという。大衆車メーカーは値上げないし生産コストの大幅削減に踏み切らないと、利益が圧迫されるとしている。
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