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2011/8/10

総合 - ドイツ経済ニュース

新車の環境性能を色別で表示、12月施行へ

この記事の要約

ドイツ政府は3日、「乗用車エネルギー消費量表示政令(Pkw-EnVKV)」の改正案を承認した。二酸化炭素(CO2)排出量に車重を加味して作成する環境性能評価を消費者に分かりやすく色別で表示することを義務化するのが最大の柱 […]

ドイツ政府は3日、「乗用車エネルギー消費量表示政令(Pkw-EnVKV)」の改正案を承認した。二酸化炭素(CO2)排出量に車重を加味して作成する環境性能評価を消費者に分かりやすく色別で表示することを義務化するのが最大の柱で、独自動車工業会(VDA)は車重が考慮されることに歓迎の意を示した。改正案は12月1日付で施行される。

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Pkw-EnVKVではこれまで、走行100キロメートル当たりの燃料消費量と走行1キロ当たりのCO2排出量の表示が義務づけられていた。今後は乗用車を車重クラス別に分けたうえで、環境性能を8段階評価で色別に表示することが新たに義務化される。最も高い評価はA+で、以下A、B、C、D、E、F、Gと続く。表示色はA+~Bが緑(A+は色が最も濃く、Bは最も薄い)、Cが黄緑、Dが黄色、Eが薄オレンジ、Fがオレンジ、Gが赤(新表示の見本は連邦経済省のサイトで閲覧できる=PDFファイル=)。色別の環境性能表示は白物家電で以前から採用されている。

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環境性能の基準作成で車重を考慮したのは、CO2排出量のみに基づいて環境性能を決定すると、大型車がすべて低い評価を受けることになるためだ。独メーカーは大型車を多く手がけることから、車重の考慮が持つ意味は大きい。

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一方、小型車中心の仏伊メーカーは今回の決定に反発。フランスのサルコジ大統領は欧州連合(EU)の欧州委員会に宛てた書簡で、新ルールはEU競争法違反の疑いがあると訴えた。

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Pkw-EnVKV改正案にはこのほか、各モデルの年間税額と走行2万キロ当たりの燃料費(見通し額)を明記することも盛り込まれている。電気自動車については走行100キロ当たりの電力消費量と走行2万キロ当たりの電力料金(同)が記される。

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