Deutsche Telekomの米移動通信事業T-Mobile USAを電気通信大手の米AT&Tに売却する取引について米司法省は8月31日、取引の差し止めを求め米ワシントンD.C.の連邦地方裁判所に提訴したと発表した。AT&TによるT-Mobile USAの買収が成立すると、同国の移動通信サービス市場で寡占が強まり、料金上昇などの悪影響が出るためとしている。AT&TとDeutsche Telekomは裁判で正面から争う構えだ。
\Deutsche Telekomは不採算のT-Mobile USAをAT&Tに390億ユーロで売却する契約を3月に締結した。ただ、米国の移動通信市場ではAT&T、Verizon、Sprint Nextel、T-Mobile USAの4社が9割以上のシェアを握っており、取引の成立は当初から危ぶまれていた。取引が不成立となった場合、AT&TはDeutsche Telekomに対し違約金60億ドルの支払いを余儀なくされる恐れがある。
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