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2011/9/21

総合 - ドイツ経済ニュース

ベルリン州議選で国政与党の自民大敗

この記事の要約

ドイツの首都ベルリンで18日に州議会選挙があり、即日開票の結果、同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)が得票率を落としながらも第1党の地位を維持した。一方、選挙戦の終盤にギリシャの債務不履行をタブー視しないとのキ […]

ドイツの首都ベルリンで18日に州議会選挙があり、即日開票の結果、同州の与党である中道左派の社会民主党(SPD)が得票率を落としながらも第1党の地位を維持した。一方、選挙戦の終盤にギリシャの債務不履行をタブー視しないとのキャンペーンを打ち出した中道右派の小政党・自由民主党(FDP)は得票率が前回選挙(2006年)の7.6%から1.8%へと激減、議席獲得に必要な5%を大きく割り込んだ。

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今回の選挙ではSPDとFDPのほか、これまで同州の与党だった左派の左翼党も得票率が低下した。この結果、SPDと左翼党は合計の議席数が過半数割れとなり、連立解消が確定。SPDは中道右派の大政党・キリスト教民主同盟(CDU)ないし緑の党と連立を組む見通しとなった。SPDと緑の党は政策面で距離が比較的近いものの、産業・環境政策では相違点も多く、SPDとCDUの2大政党による大連立政権が成立の可能性は排除できない。

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CDUは昨年5月のノルトライン・ヴェストファーレン州議選から続く退潮にひとまず歯止めがかかった。また、昨年から上昇傾向にある緑の党はベルリン州議選で得票率を前回の13.1%から17.6%へと4.5ポイントも拡大。左翼党を抜いて第3党の地位を獲得した。

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同州選挙の台風の目となったのは初参加の海賊党で、8.9%を獲得した。同党はインターネットの利用を前提とした政治・社会生活の実現や著作権規制の緩和、公共交通機関の無料化などを要求。選挙公約には総合性がないものの、政治不信の高まりが追い風となり議会進出を果たした。同党が国内の州議選で議席を獲得するのは今回が初めて。

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FDPは国政レベルで与党となった2009年秋以降、凋落が続いており、今年は計7州で実施された州議選のうち5州で議席を獲得できなかった。独自色を打ち出そうとして連立政権内の不協和音を増幅していることが裏目に出ており、まずはそうした姿勢の見直しが求められそうだ。

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