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2011/9/21

企業情報

Deutsche Post AG―集配分野で巨額投資、通販需要拡大に対応―

この記事の要約

郵便大手のDeutsche Post(ボン)は今後数年間で約7億5,000万ユーロを投じ、傘下の配達会社DHLの集配センターを拡充する。オンライン通販の人気上昇を受けて配送能力を増強。需要をいち早く取り込み競合に差をつけ […]

郵便大手のDeutsche Post(ボン)は今後数年間で約7億5,000万ユーロを投じ、傘下の配達会社DHLの集配センターを拡充する。オンライン通販の人気上昇を受けて配送能力を増強。需要をいち早く取り込み競合に差をつける狙いだ。同社のユルゲン・ゲルデス郵便事業担当取締役が15日の記者会見で明らかにした。

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国内33カ所にある集配センターを拡充、最新型の宛名読み取り機の導入などにより1時間当たりの仕分け個数を現在の2万個から2万8,000万~5万個に増やし、出荷翌日配達の割合を従来の90%から95%に向上させる。将来的には小包便も「書簡と同じスピードで」配達する目標という。

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ビーレフェルト、レーゲンスブルクなど計7カ所には集配センターを新設する。また、リアルタイムの小包追跡や無人小包受け取り所(Packstation)の増設などサービス向上にも努める。

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オンライン通販の売上高は近年、急速に伸びており、ドイツ通販業者連盟(BVH)によると、今年の売上高は少なくとも320億ユーロに達する見通しだ。Deutsche Postは社会の高齢化や利便性を求める消費者の志向を反映するものと分析。小売売上全体に占める通販の割合が8%にとどまることも踏まえ、オンライン通販市場はさらに成長するとみている。今後は医薬品や食料品の取り扱いが増えると見込む。

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DHLは現在、個人顧客部門で1位、企業顧客部門でもフランスポスト(La Poste)傘下のDPDに次ぐ2位につける。2007年以降は配達事業の売上成長率が平均3.5%に達しており、総売上に占める同事業の割合は20%にまで拡大した。

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