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2011/9/21

経済産業情報

EVの2020年普及率、価格がネックで「最大8%」止まり

この記事の要約

電気自動車(EV)がドイツ市場に本格普及するのはまだまだ先の話のようだ。ケルンのドイツ経済研究所(IW)とドイツ銀行系の調査会社Deutsche Bank Researchは12日発表したエレクトロモビリティ市場に関する […]

電気自動車(EV)がドイツ市場に本格普及するのはまだまだ先の話のようだ。ケルンのドイツ経済研究所(IW)とドイツ銀行系の調査会社Deutsche Bank Researchは12日発表したエレクトロモビリティ市場に関する調査レポートで、2020年の国内新車販売に占めるEVのシェアは最大6~8%にとどまるとの予測を明らかにした。最大の障壁は価格の高さで、バッテリー価格を現在の3分の1に引き下げないと採算が合わないという。蓄電容量も2倍に引き上げる必要があるとしている。

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同レポートによると、現在のEV普及率は0.5%、国内登録総数は1,400台に過ぎない。購入補助金が導入されるなどEV普及に向けた積極的な支援が行われたとしても、政府が2020年の目標とする100万台の達成は困難な見通しだ。

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レポートの担当者は、「現在の価格水準でEVが経済的にペイするためには30万キロ以上を走行する必要がある。これはバッテリーの寿命にして15年、充電回数にして2,000~3,000回に相当する」と述べ、EVの普及には技術・コスト面で多くの課題が立ちはだかっていると指摘。そのうえで、政府は研究開発援助や二酸化炭素(CO2)排出量削減規制でEVを優遇するなどの形でメーカー側を支援することが重要だとの見解を示した。消費者に補助金を出して購入を促す方法は、コストがかかるだけで技術の進歩に貢献しないと批判的だ。

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