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2011/9/21

経済産業情報

通信インフラ機器業界、光回線敷設事業に注目

この記事の要約

これまで主に移動体通信向けの設備を手がけてきた通信インフラ機器業界が、光ファイバーによる高速ブロードバンドインフラ事業に熱い視線を注いでいる。ZTEや華為技術(ファーウェイ)など中国メーカーの欧州進出で移動体通信分野の価 […]

これまで主に移動体通信向けの設備を手がけてきた通信インフラ機器業界が、光ファイバーによる高速ブロードバンドインフラ事業に熱い視線を注いでいる。ZTEや華為技術(ファーウェイ)など中国メーカーの欧州進出で移動体通信分野の価格競争が激化し、利益確保が困難になっていることが背景にある。エリクソンやアルカテル・ルーセントなどの欧州大手は、光通信インフラの整備・運用から保守まで含めた総合サービスを提供、ブロードバンド整備を進める自治体やエネルギー供給会社からの受注獲得を狙う。19日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』が報じた。

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ドイツでは光ファイバー回線の普及が遅れている。電気通信サービス事業者連合会(VATM)によると、光ファイバーサービス提供エリア内の世帯数は昨年65万世帯に過ぎず、実際に光ファイバー通信サービスを利用している世帯はその半分にも満たない。

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業界関係者は光ファイバー回線を使ったブロードバンド網を全国に整備するには400億ユーロ以上の投資が必要になると試算しており、通信インフラ業界にとっては有望な市場といえる。プロジェクトの大半は地域・自治体レベルの公共インフラ整備の性格が強いため、受注によって大きな利益は期待できないものの、安定収入が得られるメリットがある。

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通信機器大手エリクソンは、電力大手バッテンフォールなどがベルリンで実施する光ファイバープロジェクトで技術サポートとネットワーク運営を担当する。同プロジェクトは、ベルリンのグロピウスシュタット地区にある住宅団地4,500世帯に光ファイバー回線を敷設するもので、エリクソンのほか住宅供給会社DAGEWO、法人向け通信サービス大手QSCが参加している。電気通信関連サイトteltarif.deによると、プロジェクト予算総額は400万ユーロという。

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