電機大手のSiemens(ミュンヘン)がソーラー発電設備事業の見直し作業を進める。経営資源を太陽熱発電に絞り込んだこれまでの姿勢を改め、太陽光発電事業への参入を検討する。同社エネルギー部門のミヒャエル・ジュース取締役が20日、明らかにした。
\Siemensは2009年、イスラエルのSolelを買収して太陽熱事業に参入した。民生分野から撤退する戦略をとっているため、一般消費者向けが中心の太陽光発電事業への参入はこれまで見合わせてきた。
\だが、金融・経済危機のしわ寄せで巨額投資が必要な太陽熱発電市場は成長のテンポが遅く、売り上げは低迷。最近は太陽電池の価格急落を受け太陽光発電のコストパフォーマンスが大幅に改善されたこともあり、顧客の発電プロジェクト事業者の間には太陽熱から太陽光に計画を変更する動きも出ている。こうした顧客には当面、外部から調達した太陽電池を供給し対応していく。
\ジュース取締役は「太陽光市場は太陽熱市場よりも大きくなる」との予想を示した。ただ、どちらの技術が最終的に優位に立つかはまだ分からないとも述べ、慎重な姿勢を示している。
\同社のソーラー事業の規模は風力発電設備事業に比べて大幅に小さい。今後はソーラー事業を強化し、両事業のバランスがとれるようにしていく。
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