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2011/10/12

経済産業情報

EUエコデザイン指令の適用対象拡大か、機械業界が懸念

この記事の要約

欧州連合(EU)エコデザイン指令(ERP、2009/125/EC )の規制対象拡大に向けた作業を独機械業界が息をのんで見守っている。これまで主に家電に限られていた対象が来年から産業用機械にも広げられる可能性があるためだ。 […]

欧州連合(EU)エコデザイン指令(ERP、2009/125/EC )の規制対象拡大に向けた作業を独機械業界が息をのんで見守っている。これまで主に家電に限られていた対象が来年から産業用機械にも広げられる可能性があるためだ。7日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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エコデザイン指令はEU域内で販売されるエネルギー消費型製品について、生産過程におけるエネルギー効率の向上と環境負荷の軽減を目的として05年に採択された。採択当時は冷蔵庫や洗濯機、照明器具などエネルギー使用製品に対象が限られていたが、09年の改正法で窓、断熱材、シャワーヘッドなど、直接エネルギーを使用しないがエネルギーに関連する製品にも範囲が広げられた。2012~14年に対象に加わる製品群は現在、選定作業が進められており、欧州委員会が今月中にも最終結果を発表する予定だ。

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ドイツ機械工業連盟(VDMA)の関係者は「欧州委は工作機械などの投資財や業務用機械システムを注視しており、搬送システムや移動式機械が対象になる可能性がある」と話す。

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業界は指令の対象となることを歓迎していない。工作機械メーカーAlfred Schutteのヴェルカー社長は「作業が高度に複雑化しており、それぞれに搭載している技術が異なる工作機械分野では、エネルギー効率の良し悪しを比較できる基準など存在しない。消費電力が多いというだけでエネルギー効率が悪いとレッテルが張られれば、重要な技術が市場から駆逐される恐れがある」と懸念を示す。ドイツ工作機械工業会(VDW)もほぼ同様の見解で、「工作機械は用途も作業内容も複雑多岐にわたる。電球や冷蔵庫のように用途が1つしかなく、エネルギー消費量で単純に比較できる製品群と同列に扱うのは問題だ」として、欧州委への働きかけを強化している。

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