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2011/11/16

経済産業情報

公立大と民間企業が就活支援で提携、企業は優秀な人材の確保へ

この記事の要約

学生の就職活動を支援するために民間企業と提携してプロジェクト型の企業実習(プロジェクト・インターンシップ)の斡旋や紹介を行う公立大学が増えている。学生にとっては、自らの専攻に関連する企業で就業体験を積むことで将来のキャリ […]

学生の就職活動を支援するために民間企業と提携してプロジェクト型の企業実習(プロジェクト・インターンシップ)の斡旋や紹介を行う公立大学が増えている。学生にとっては、自らの専攻に関連する企業で就業体験を積むことで将来のキャリアに関する具体的なイメージをつかめるメリットがあり、企業も優秀な新卒人材の確保につなげられる。8日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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ドイツの私立大学では民間企業との緊密な提携関係が構築されている。一方、州の財源で運営される公立大学では中立性の観点から、企業が資金などを拠出する見返りに履修内容に影響力を持つことへの抵抗感が強い。このため、企業と公立大の教育面での提携はこれまでのところ、セミナーやワークショップなどに限られている。

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また、公立大学の履修内容は理論重視で実地訓練が少ないため、学んだ内容がどんな企業で活かせるか具体的なイメージがつかめず、就職活動で失敗、あるいは就職後に苦労する学生が少なくない。

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こうした事情を背景に、企業と提携して実地体験の場を提供し、学生の就職を支援する動きが公立大学で広がりだしている。代表的なのはケルン大の「Power Your Life」、ハンブルク主要3大学の「Fising for Experiences」、ベルリン工科大の「Prepare」というプログラムだ。いずれも、民間企業の公募型インターンシップを斡旋するもので、学生は必ず少人数のグループで企業の実施する3カ月程度のプロジェクトに参加し、企画・準備・遂行などの作業を体験する。単身参加にしないのは、組織におけるチームワークの重要性を認識させるためという。

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