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2012/1/11

ゲシェフトフューラーの豆知識

運転手の免停、期間が短ければ解雇は不当

この記事の要約

運転手として雇用されている者が免許取り消しや停止の処分を受けた場合、雇用主は解雇できる。労働契約で定められた業務を遂行できなくなるためである。では、免停期間が短く業務への影響が比較的小さい場合でも解雇は妥当なのだろうか。 […]

運転手として雇用されている者が免許取り消しや停止の処分を受けた場合、雇用主は解雇できる。労働契約で定められた業務を遂行できなくなるためである。では、免停期間が短く業務への影響が比較的小さい場合でも解雇は妥当なのだろうか。この問題をめぐる係争でメクレンブルク・フォーポマーン州労働裁判所が判決(訴訟番号:5 Sa 295/10)を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判を起こしたのは運送会社に勤務する運転手。同運転手は2009年9月23日付の文書で、免許停止処分の通知を受けた。免停の期間は2010年1月29日~2月28日の1カ月間となっていた。

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これを受け雇用主は1月29日付の文書で即時解雇を通告。原告はこれを不当として提訴した。

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原告は第1審で勝訴し、第2審のメクレンブルク・フォーポマーン州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、免停期間が1カ月にとどまることを指摘。この程度の期間であれば年次有給休暇の活用でカバーできるとして、解雇は行き過ぎだとの判断を示した。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)への上告は認めなかった。

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