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2012/2/15

企業情報

EADS N.V.―本社機能をトゥールーズに集約か―

この記事の要約

欧州航空宇宙大手EADSのトーマス・エンダース次期最高経営責任者(CEO)(現Airbus社長)はスペインで開催された役員会議で、独仏に分散している本社機能を仏トゥールーズに集約する方針を表明した。事業を効率化して国際競 […]

欧州航空宇宙大手EADSのトーマス・エンダース次期最高経営責任者(CEO)(現Airbus社長)はスペインで開催された役員会議で、独仏に分散している本社機能を仏トゥールーズに集約する方針を表明した。事業を効率化して国際競争力を強化するとともに、航空宇宙産業の一大拠点であるトゥールーズを最重要拠点に据えることで同地を欧州航空宇宙産業の中心地に発展させる狙い。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙と『南ドイツ新聞』が会議参加者からの情報として10日、報じた。

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EADSは蘭スキポールを登記上の本社とするが、重要な生産・研究拠点のあるドイツとフランスへの政治的配慮から、本社機能を独オットーブルン(ミュンヘン近郊)とパリの2カ所に分散している。一方、米競合Boeingとの競争に勝ち抜くには社内組織の再編が必要との認識が経営陣内に広がっており、エンダース時期CEOの今回の方針表明はこうした流れを反映したものといえる。トゥールーズには同社の子会社Airbusの本社が置かれており、EADSの本社を同地に移転すればグループ内の統合を推し進めることができる。

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本社機能統合が実施されると、パリとオットーブルンの上級管理職400人が転勤などの影響を受ける見通し。両拠点が閉鎖されることはないようだが、これまでより重要性が下がるのは確実で、オットーブルンの地元バイエルン州政府は計画に反対している。

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