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2012/3/21

企業情報

Kiekert AG―中国メーカーが買収―

この記事の要約

自動車用ドアロックシステムの有力メーカーである独Kiekert(ハイリゲンハウス)は13日、中国の自動車部品メーカー河北凌雲工業集団(Hebei Lingyun Industrial Group)が投資会社3社から同社を […]

自動車用ドアロックシステムの有力メーカーである独Kiekert(ハイリゲンハウス)は13日、中国の自動車部品メーカー河北凌雲工業集団(Hebei Lingyun Industrial Group)が投資会社3社から同社を買収すると発表した。買収金額は明らかにしていない。取引の成立には独禁当局の承認が必要。

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Kiekertはドアロックシステムを世界で初めて製品化した。当初は独占的な地位を保っていたが、顧客の自動車メーカーに納入停止の圧力をかけため、メーカーは調達先を多様化。同社の業績は悪化し、2000年にプライベートエクイティ(PE)のPermiraに5億3,000万ユーロで買収された。

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Permiraは買収資金を融資でまかない、その債務をKiekertに転嫁したため、同社は債務負担が増え、経営破たんの危機に直面。2006年末にMorgan Stanleyなど3社からなるコンソーシアムが買収し、経営再建を進めてきた。従業員数は4,000人。昨年はドアロックシステムを4,100万セット製造し、5億ユーロを売り上げた。

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河北凌雲は自動車用の樹脂・金属部品を製造している。従業員数は1万人。売上高は7億ユーロ強で、Kiekertを買収すると10億ユーロを突破する。

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Kiekertは河北凌雲の傘下に入ることでアジア事業を強化できる。河北凌雲の製品を欧州や北米で販売することも検討する。

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中国企業は技術的なノウハウやブランド力を手に入れるため、欧州企業の買収に取り組んでいる。この1年間に中国資本に買収されたドイツの自動車部品メーカーはPreh(エアコン・カーラジオ操作パネル)、Saargummi(シーリングシステム)、KSN Castings(軽金属部品)、Sellner(内装部品)の4社に上る。

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