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2012/3/21

経済産業情報

派遣社員、今年は100万人突破見通し

この記事の要約

非正規労働者(派遣社員)がドイツで増加している。コンサルティング会社RoelfsPartnerが13日発表した市場動向によると、2011年の派遣社員数は前年比11%増の98万2,000人となり、2年連続で10%以上の高い […]

非正規労働者(派遣社員)がドイツで増加している。コンサルティング会社RoelfsPartnerが13日発表した市場動向によると、2011年の派遣社員数は前年比11%増の98万2,000人となり、2年連続で10%以上の高い伸びを記録した。ユーロ圏の信用不安や景気先行き不安を背景に派遣社員数は今年も増加し、年平均で100万人を突破する見通しだ。

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ドイツでは03年に人材派遣業界の規制が大幅に緩和され、それまで最大6カ月に制限されていた派遣期間の延長が可能になった。これにより労働者派遣市場は右肩上がりで成長、先の金融・経済危機による景気低迷で09年に大きく落ち込んだものの、10年以降は再び増加に転じている。12年の業界売上高は前年比10%増の230億ユーロに拡大する見込みだ。

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経済紙『ハンデルスブラット』によると、人材派遣業界の顧客別売上高シェアでは自動車業界が最も大きい。エネルギー・運輸・物流、機械、建築仕上げ施工業界がこれに続く。

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派遣社員は正社員に比べ賃金や社会保障などの面で不利益を被りやすく、労組は格差解消に向け企業への圧力を強めている。こうしたなか、2011年決算で利益・売上高ともに過去最高となった高級車メーカーBMWが派遣社員1万1,000人を採用していることが分かり、労組は「利益のために労働者を犠牲にしている」と批判している。

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