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2012/4/25

経済産業情報

独北部の新コンテナ港に稼働延期の恐れ、シートパイルの不具合で

この記事の要約

今夏の稼働開始を目指して建設が進むヴィルヘルムスハーフェンの新コンテナターミナル、「ヤーデ・ヴェーザー港(JadeWeser Port:JWP)」の前途に暗雲が漂ってきた。港湾岸壁に使用されている鋼矢板(シートパイル)の […]

今夏の稼働開始を目指して建設が進むヴィルヘルムスハーフェンの新コンテナターミナル、「ヤーデ・ヴェーザー港(JadeWeser Port:JWP)」の前途に暗雲が漂ってきた。港湾岸壁に使用されている鋼矢板(シートパイル)の噛み合わせ箇所に150カ所以上のすき間が見つかり、補修が必要になったためだ。来月から予定されていた試験稼働に制限が出ることは確実で、JWPを運営するEurogateは完全な試験運用評価ができないため本格稼働が遅れる恐れがあると懸念を表明した。

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シートパイルに不具合が見つかったのは3月で、修理に4,000万~5,000万ユーロがかかる見通し。関係者はこれまで、シートパイルの補修工事によってJWPの工事・運用に支障が出ることはないとみていたが、補修作業に伴い全長1,000メートルのターミナルのうち400メートルしか利用できないことが判明したことで状況は一変した。同ターミナルにはコンテナクレーン8基の設置が予定されているが、「400メートルのターミナルに8基全てを設置し試験稼働することは不可能」(Eurogateのエッケルマン社長)なためだ。EurogateはJWPの出資者であるニーダーザクセン、ブレーメン両政府との取り決めにより8月5日の本格稼働を義務づけられており、遅れた場合は数千万ユーロの違約金を支払わなければならない。

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すき間の補修法について両者の意見は分かれている。輸送業界紙『Verkehrsrundschau』(オンライン版)によると、州側はコンクリートでふさぐ方式を支持。一方、Eurogateは鋼矢板の前に鋼鉄製の翼壁(ウィング)を設置する方法を採用したいとしている。

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